乱歩イズム

私は江戸川乱歩が大好き。
好きを越してるこの気持ちは多分、乱歩マニア。

乱歩との出会いは小学一年生、二十面相シリーズで。
お決まりの少年探偵団ごっこを経て、全作品読破、名前の由来を知り手を伸ばしたポーや、何かと比較されるから読んでみた横溝や夢野まで、思春期の影響は深く刺さっている。
メディア関係も子供時代はドラマ(ダンディズムを教えてもらった天地茂さん)、大人になってからは映画に舞台にと、乱歩原作ものは欠かせない。

乱歩邸も見に行った。
あの空気。
あの大好きな時代の空気にぞくぞくしたっけ。

ワンセンテンス読むだけで、乱歩と分かるカリスマ的な世界観。
私にとってその世界は決して妖しいだけではない。
妖しさと同じくらい、透明で清楚だと思う。
フロイト流解釈ならさしずめ、ぎりぎりまで抑圧された潔癖さが見せる夢‥‥？
いやいや、そんなありふれた解釈に収まる訳もない、乱歩の空想の翼。

そして夢と言えば‥‥

｢現世は夢、夜の夢こそまこと｣
(うつし世と読んでね)

乱歩が好んで書いていた言葉。
夢見ちゃんの私には、それは心震える言葉で。

荘士だっけ？ 蝶の夢を見て自分が蝶なのか、蝶が自分なのか分からなくなると残してた。
ギドクがそれにオマージュ捧げた作品を作ってたね。

連杰の言う｢人生は夢のようなもの｣
こちらは、より仏教的な意味での例えなのだろうけど、物質的なものの儚さより、精神的なものや心の世界を大切にする気持ちは同じだろうから。

乱歩と連杰、好きな人同士の共通点に偶然以上のものを感じてしまう。

不思議な夢を見た日は特に。