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記憶(李連杰)のしまい場所
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またもや甚だしくP的見解ですが。

以下ネタバレ

+ + + + + + + + + +
アルフって仲間思いで朴訥で熱くて、そんなキーワードゆえ、一方では愚直で粗野で
女性心を理解してない、みたいにも言われてるでしょ?
果たしてそうなのかな・・・・?

何故かアルフと蓮のシーンは「蓮にお着替えさせる」シーンが多いのだけど、
その最初のお着替えさせる所。
盗賊の仕事から戻ってきた時ね。
この時は確かに一方的で荒くれた、自己中心的な愛情表現をしているのだけど、
それが軍に入り戦を終えて戻った時のお着替えシーンでは、痩せた蓮を気遣い、
少し距離を置いた態度なのよね。
蓮の気持ちを汲むような言い方をしてる。
目つきも、最初の時(自分の物扱い)とは違って、まるで初恋の人に接する少年のよう。
そして蘇州入り前夜のお着替えシーンでは、謙虚に素直に愛を伝えている。
最後の南京で暮らす家でのシーンでは、当たり前のように「戻ろう」と言わず、
「一緒に戻るか?」と聞くのよね。
新しい(裕福な)生活を楽しんでいる蓮を、一個人として扱っているのよね。

この変化は、もちろん無意識。
アルフは真っ直ぐな人だから、蓮を疑ったりはしてないと思う。
蓮が青雲と出会うまでは、確かに蓮に対して一方的な愛情を示していただけかもしれない。
好きだからさらい、好きだから抱く。
そんなエゴ剥き出しの愛。
でも今は、何か小さな信号を、形になってはいない小さな変化を、蓮から感じ取ってるのだと思う。
自分でも意識していない無意識が捉えた、蓮の目に見えないさざ波のような変化に、
彼自身も変わっていってると思うの。
すごく敏感で繊細な部分もある人なんだと思いません?


で、蓮。
蓮生が本名ですが。
彼女が青雲に惹かれたのは、青雲が知的で野心ある人だったから、とか、
彼女自身の上昇志向ゆえ(教養もあるのに貧しい暮らしをしていて家出を繰り返すから?)とか、言われてるけど、これも果たしてそうなのかな?

彼女が家出をするのは、貧しさやアルフの素朴さが物足りないというだけではないと思うの。
彼女がアルフといるのは、アルフが蓮をさらったから。
自分の意思ではないよね。
助けてくれたから一緒にいる。
好きだと言われたから一緒にいる。
ただそれだけの理由。
そこに自分の意思はない。

でも彼女は何かを「自分で」したかった。
自分で見つけ、自分で心を動かし、自分で好きになれる・・・・・
そんな何かを探したくて家出をするのだと思う。
アルフが物足りないのではなく、人生そのものが物足りないから。

そうして出会った青雲は、一番弱い部分を最初から蓮に見せた。
あの時は同情、母性愛、慰め、そんな感情が主に支配していたかもしれない。
ところが再会した青雲は強くてデキる男性だった。

そのギャップ。
蓮が青雲に惹かれた一番の理由はこのギャップだと思う。 (ん?私の理由か?)
他人として客観的に見る青雲は切れ者で逞しい。
なのに2人でいる時は、自分に向かってる時は、あの出会いのままの剥き出しの心を
預けてくる人なんだもん。
あんな瞳で見つめてくるんだもん。 (やはり私の理由か・・・)
青雲にとっても、一番弱い部分を見せてしまい、またそれを受け入れてくれた蓮には、
もう強がる必要は何もないわけで、だから蓮に対しては、いつでも真っ直ぐよね。
とてもいい出会いだったんだと思う。

ましてや青雲は、出会った時から蓮の本心に気付くでしょ?
いい人だと言いながら家出をする蓮の本心。
自分の人生なのに自分がいない・・・・あの時代、それはありがちの事だったかも知れない。
だからそれを悩むのは、蓮自身の気質や教養や感受性ゆえよね。
いつもは隠しているけれど、諦めきれない人生に対する枯渇感。
そしてそんな気持ちを深く理解する青雲の台詞が香港版には実はある。

「自分の未来は自分で決めろ」
惹かれてる男性に、こんな風に心の底の願望を理解してもらえたら・・・・
きっとあの2人は、いつもは隠している本音と弱さを、最初から分かち合えてたのね。

それにしても香港版にはあるこの台詞がカットされてるのは・・・・?

結論。 編集者は女心に疎いと思う。 (小声)
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長いけどゴメン
アルフが蓮生の変化に気付いていたか・・・・
どうなんだろう・・私はよくわからないなぁ。
アルフは蓮生のこと=夫から心が離れてることには、何も気付いてない気がするんだよね。
ていうか、信じて疑わないというか。
あ、でも香港版だっけ、削除シーンだっけ、忘れたけど、
「痩せた蓮を気遣う」お着替えシーンで、
「お前がここを気に入らないのは知っている。戦が終わったらどこかいいところへ落ち着こう」って言ってるんだよね。
だから蓮生の不満に全く何も気付いてないわけじゃないんだよね。。。
わかんない、アルフ自身は、少しずつ変化してはいると思う。
人生は、自分が思ってきたよりもずっと複雑でままならない、ということを知ったというか。
仲間のために、生きるために、食うために。
山軍結成以前のアルフには、この三つだけだよね。
でもそれだけじゃ、うまくやれないってことを知ったんだよね。パンとの出会いによって。

>諦めきれない人生に対する枯渇感
蓮生はまさに、ずっとそれを抱えて生きてきた人なんだと思う。
青雲に出会ったことによって、諦めかけた人生を、もう一度選びなおせるかもしれない可能性に、気付かされてしまった。
それは彼女にとって幸せでもあり、最大の不幸でもあったのかも。
二人が初めて出会った夜に青雲が言う台詞、
劇場版の字幕だと確か「君は変わったのに、助けたつもりか」(だっけ?)
(これちょっとわかりにくいと思ったのよね・・・あ○こさんの訳の方がわかりやすいよね)
この言葉を受けて蓮生が発した台詞が「でもいい人よ」
この時点で既に、蓮生の心はアルフよりも青雲の方へ向いてしまってるのがわかる。
「蓮生&青雲 対 アルフ」みたいになってるんだよね。

>あんな瞳で見つめてくるんだもん。
それ、あたしものった!
義弟の命を救ったという勇将に、あんな切ない瞳で「あの夜は現実か?待ち続けて・・・ なぜ戻った?」なんて問いかけられたら。
堕ちないオンナはいないね!(断言)

むぅ 2009/06/06(Sat) 編集
Re:長いけどゴメン
うん、具体的には何も気付いてないと思う。
だからといって鈍感な人ではないと思うの。
どこか上の空な彼女の、いつもと違う何かに、反応する繊細さはある人じゃないかな。
とゆーか、最初の蓮とのシーンと最後のシーンとでは、接し方が随分と違うんだもの。
それには、むぅさん仰るアルフ自身の変化もあるよね。
人生の複雑さに打ちのめされ、弱気にもなったろうし諦めも知ったろうし。

「蓮生&青雲 対 アルフ」・・・・まさしく!
出合ってすぐに「共謀者」になっちゃってるよね。
青雲の横に入ってく前のあの蓮の顔。
「きっとこの人なら・・・・トライ!」って心の声が聞こえるのですが。

あんなうるうるした目で、「どうして戻っちゃったの?」と問い詰めた純粋な彼は、その後の風の便りでは山軍将軍として飛ぶ鳥の勢い。
かと思えば再会した蘇州では、少年のような動揺と熱の篭った眼差しで見つめて来る・・・・。
その振り幅の大きさったら、りんちぇなみ!

うん! どこまでも堕ちて行こう!

PS. 長文読解大好きよ。ありがとう!
 【2009/06/07】
うまく言えないけど・・・
やはり、この映画のテーマは「愛」なんでしょうね。いろんな形の・・・。3兄弟それぞれがまっすぐに互いを愛している。蓮も、ふたりの男性を別々に愛した。しかし、すべては共存できなかった。人は何かを捨て、あきらめ、何かを選択することでしか生きられない。そんな悲しい現実をつきつけられました。愛するが故、貫きとおさなくてはならない「定め」があるのですね。個人的に、村の外で明日の出陣を待つ大兄の所へ蓮が駆けていくシーンが好きです。扉を開ければそこにいるのがわかっているのに開けられない。そして、また戻ってしまう・・・私だったら、やっぱり同じことするかも・・・と思いました。(劇場版では、アルフと過ごしていましたね)
YOU-MEI 2009/06/07(Sun) 編集
Re:うまく言えないけど・・・
はい。私もそう思います。
戦争という時代にとり憑かれ絡め取られて、生き様や思考までもコントロールされてしまう。
そんな哀しさと、でもそんな悲惨な状況下でも生きていく人間に芽生える愛と絆、それがテーマだと思います。

戦争という時代の中での生き方や考え方と、人として当たり前の情の世界とのバランスは、私達には想像する事しか出来ません。

>共存できなかった。
そのバランスを取るのは簡単ではないのですね。

恩義あるアルフに感謝と情は感じている蓮。
お互い理解し許しあえる青雲への恋心。
どちらも本心なのに、うーやんに殺される時に命乞いをする彼女が、理解できなかった。
どちらも本心なら「私を殺して」って言って欲しかった。
結局自分が可愛いだけなのね、と思ってた。
でもそれは現代に生きる私の浅はかさだと気付きました。
あの「死ぬのはたやすい」時代、彼女が守りたかったのは情の世界ではなく、命であった。
戦争がそういう生き方を選ばせているのだと思うのです。

一方では、どんな時代でもきっと変わらない愛と絆もあるでしょう。
悲しいことに青雲は、取り返しの付かない所まで行かないとその意味に気付かないのだけど。

悲しい現実、でも正直な現実ですよね。

って、YOU-MEIさん、あそこまで行って中に入らないの??
中には青雲がいるんだよ!
りんちぇ演じる青雲が、1人であなたが来るのを待ってるんだよ!

今なら前言撤回認めましょう。(何様?)
 【2009/06/08】
なるほどなあ・・
皆さんの深い考察。すごいな。

そうだね、そういえばそうだ。
日本語字幕ではどうなってたか忘れちゃったけど、
「你愿意吗?」
お前も同意してくれるか?という、答えを蓮生に預ける言い方になってるね。

この前日、二人で街に出て買い物をしたはず。
赤いのも緑色のも欲しい。だってこんな綺麗なものを見たの十数年ぶりよ?ってはしゃぐ妻に
今年は緑色のを飾って来年赤いのにすればいいだろ、って優しく言う夫。
せつないなあ。。。

>あんな瞳で見つめてくる
映画鑑賞後、開口一番
「くうぅーっ!仕事でもいいから、あんな瞳で見つめられてみてえ!
全財産つぎこんでもいい!」と言った人がいます。(俺だよ)
あぢこ 2009/06/07(Sun) 編集
Re:なるほどなあ・・
>「?愿意??」
>お前も同意してくれるか
字幕では、「一緒に帰ってくれるか?」だったかな? 

アルフにとっての蓮は、助け出した憧れの美少女、のままだったんだね。
助け出したから自分のものでもあり、さらい出したから申し訳なくもある。
やっと彼女が望んでいた(らしい)裕福な暮らしが出来るようになって、
夫らしい事ができた、って思っていたと思う。
はしゃぐ妻を眩しく見ていたと思うよね?

えぇ、えぇ、おまいさんは確かにそう言いなすったね>あんな瞳で見つめられてみてえ!
だば、それに対するわしの対抗馬は覚えておるかいのう・・・
 【2009/06/08】
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