Entory No.2 チョイ

どの作品もその時々の連杰が愛しいから、全部が大好きと言いながらも、DVDを見る時についつい手が延びてしまいがちな作品があります。
じっくり見たい日、さらっと見たい気分によってもある。
あの作品のあのアクションが見たい、というのもあるし。
あの年代の連杰の顔がどうしても見たい、なんていうのも私はあったりします。

そんな中で、ダニーの次にコンスタントに見てるのが、多分ブラックマスク。

これ、当時確かハワイで見たと思うのよねぇ。
連杰を好きになり、リスト片手にビデオ屋さん通いしてた頃、題名見て気が付いたの。

｢これ見た！‥はず！｣

ところが記憶に残ってる所がないの。
あの特異なマスク姿ですら、見たことあったかなぁ‥‥そのぐらいしか記憶にないなんて。
時差ボケで寝ちゃってたとしか思えないわ。
こーんなに面白い作品なのに！

だってまず、チョイという人物が人前では違うキャラクターを演じているという設定が好き。
二面性を感じるキャラクターとして、ダニーやフゥ君もいるけど、あの二人の戦闘時と普段とのギャップは、作為的なものではない。隠してる訳ではない。
スイッチが入ると戦闘モードになるけど、普段の顔も自分の顔。

チョイは素の自分を隠している。
穏やかであまり感情を表に出さないチョイの本当の顔。
それを独白スタイルで見せてくれるから、秘密を共有してる気持ちにさせてくれる。

アクションとドラマのバランスもいいし、音楽センスもひねりがあってお洒落。
そうそう、トレイシーのあのキャッキャッ声も、BGMのように挿入されてるように私には聞こえるの。

映像にもこだわりを感じる。
埠頭で鳩を飛ばす青と白のコントラスト、朝靄の墓地の濃い緑、隠れ家でのコミカルな食事シーンなど、印象的なシーンがいくつもある。
そして何と言っても、スローモーションで挟まる、ユーランを助けるシーンのあの切なさ美しさ。
まるでそこだけ別世界のようなモノトーンの妙。
それはユーランからの一方的な片思いだったのだろうけど、大好きな教官との心からの信頼関係を感じられた、永遠の一瞬。
その一瞬の思い出が、最後は彼女の生き方を決めるんだものね。
それに相応しい本当に心締めつけられる美しい思い出だと思う。
連杰映画のロマンティックシーンの中でも屈指の美しさだと思うの。

私は、映画の終わった後の主人公のその後を想像するのが好きなのだけど(ウォーロードの三人の死後すら想像してしまう)、痛みを取り戻したチョイはどうするのかな？
スキルを生かして、また警察の手伝いとか部隊の教官、まさかのハードボイルド探偵業!?

いやいや、案外フツーの市民の暮らしを選ぶかなと思う。
フツーに人と関わって、フツーに笑って泣いて、どうか人の優しさ哀しさを沢山味わって欲しいなぁ。
それはあの大切な２人の友達もきっと同じなはず。

友達といえば、トレイシーとの間に男女の愛情が芽生えない所も微笑ましい。
天真爛漫な彼女となら、チョイも心を緩められたんだね。

チョイ、シェク、トレイシーは、絶妙なバランスのドリカム状態。
そんな３人の中でもしカップルができるとしたら、無骨なシェクの周りでキャッキャッ飛び跳ねるトレイシーな訳で。
それをニコニコ眺めるチョイであった‥‥(妄想タイム・完)

そんなブラックマスクの魅力は色々だけど、きっとみんな大好きな｢トイレで見せる後ろ蹴り｣
やっぱりこれかな！(ここまで書いてそれが結論‥？)